この記事では、日常生活での危険のリスクを減らし、トラブルに巻き込まれるのを未然に予防する方法を紹介します。
日常生活のトラブルは、考えただけでも色々な場面でありますよね。
- 料理をしているとき
- 犬を散歩しているとき
- 車を運転しているとき
- 子どもが留守番しているとき
これらの場面でトラブルはパッと見ただけではどんな深刻な影響があるのかわかりにくいですよね。
でも、FMEAという考え方を身に付けておくと「あれっ、これって命に関わるからやばくない?」というのが、無意識のうちに頭に浮かぶようになります。
自分自身や大切な人がトラブルに巻き込まれないためにも、一度読んでいただけると幸いです。
この後、具体例を挙げて、超わかりやすく説明します。
- 小さな子どもがいる人
- ペットがいる人
- 車を運転する人
- トラブルに巻き込まれたくない人
FMEAは「重要度」「発生度」「検出度」でリスクを見える化する手法
先ほど突然出てきたFMEA(エフ・エム・イー・エー)という言葉ですが、これはFailure Mode and Effects Analysisの略で、日本語では「故障モードと影響解析」と訳します。
自動車部品の設計、製造に関わっている人にはお馴染みの、トラブルの未然防止のための手法です。
こう聞くと「なんか難しそう〜」と思うかもしれませんが、FMEAの考え方を普段の生活に取り入れると、日常生活で起こるトラブルを未然に防ぐことができます。
特に命に関わることなど、重大な物事ほどFMEAの考え方は威力を発揮します。
ここでは一例として、「子どもを一人で留守番させる」ということに着目して、トラブルの未然防止を考えてみましょう。
子どもを一人で留守番させるときに想定されるトラブルを列挙する
子どもを一人で留守番させるとどんなトラブルが想定できるでしょうか?
具体的にいくつか挙げてみましょう。
- ベランダから落下して大怪我する
- ガスコンロを使って火事になる
- インフルエンザで突然発熱する
- 大地震が来て家具の下敷きになる
- おもちゃで遊んでいて指を挟む
- ゲームのやり過ぎで目が悪くなる
どんなに軽微なことでもいいので、想定できることを列挙してみましょう。
重要度はトラブルの影響の大きさの指標
「重要度」というのは、トラブルが発生した時にどれくらい重大な影響があるかということです。
1点〜10点で点数付けして、10点が一番深刻度が高く、1点が一番深刻度が低いです。例えば、
- 10点:命に関わること
- 7点:後遺症など
- 5点:怪我など
- 3点:すり傷など
- 1点:安全
先ほどの具体例では、僕は以下のような点数を付けました。
- ベランダから落下して大怪我する:10点
- ガスコンロを使って火事になる:10点
- インフルエンザで突然発熱する:7点
- 大地震が来て家具の下敷きになる:10点
- おもちゃで遊んでいて指を挟む:3点
- ゲームのやり過ぎで目が悪くなる:5点
ベランダから落ちたり火事になったり家具の下敷きになったら命に関わるので10点です。
インフルエンザも命に関わる病気ですが、ここでは7点にしました。
目が悪くなるのは考え方次第ですが、メガネやコンタクトレンズで矯正可能なので5点にしました。
発生度はトラブルの起こりやすさの指標
「発生度」というのは、トラブルがどれくらい起こりやすいかということです。
10点が一番起こりやすく、1点が一番起こりにくいです。例えば、
- 10点:必ず発生する
- 7点:よく発生する
- 5点:たまに発生する
- 3点:ほとんど発生しない
- 1点:発生しない
先ほどの具体例では、僕は以下のような点数を付けました。
- ベランダから落下して大怪我する:3点
- ガスコンロを使って火事になる:3点
- インフルエンザで突然発熱する:5点
- 大地震が来て家具の下敷きになる:3点
- おもちゃで遊んでいて指を挟む:7点
- ゲームのやり過ぎで目が悪くなる:5点
おもちゃで遊んでいて怪我をするのはよくあることなので7点ですが、ベランダから落ちることはほとんどないので3点です。
ここで大切なのは一般論として考えるのではなく、自分の状況で考えることです。
例えば、ベランダに椅子やテーブルが置いてある場合は、ベランダから落下する可能性は高くなるので点数は7点くらいになります。
一方、ベランダ全体がガラスなどで覆われていて、落ちる可能性がゼロであれば1点になります。
家具の場合も、転倒防止用の突っ張り棒の有無などでも点数は変わります。
検出度はトラブルの発見しやすさの指標
「検出度」というのは、トラブルが発生した時の発見しやすさです。
10点が一番発見しにくく、1点が一番発見しやすいです。例えば、
- 10点:発見できない
- 7点:ほとんど発見できない
- 5点:まぁまぁ発見できる
- 3点:ほとんど発見できる
- 1点:必ず発見できる
先ほどの具体例では、僕は以下のような点数を付けました。
- ベランダから落下して大怪我する:7点
- ガスコンロを使って火事になる:7点
- インフルエンザで突然発熱する:7点
- 大地震が来て家具の下敷きになる:7点
- おもちゃで遊んでいて指を挟む:7点
- ゲームのやり過ぎで目が悪くなる:7点
子どもを一人で留守番させていたら、普通はほとんで発見できないですよね。せいぜい時々電話で確認するくらいです。
発見できる場合というのは、監視カメラを設置しているとか、赤外線センサーを設置している場合ですね。
電話すら無かったら発見手段がないので10点(発見できない)になります。
想定されるトラブル対策の優先度を求める
このようにして、想定されるトラブルに対して「重要度」「発生度」「検出度」を点数付けします。
そして、その点数を掛け合わせたのが「リスク優先度(RPM)」です。
RPM = (重要度)×(発生度)×(検出度)
先ほどの具体例のRPMを計算すると以下のようになります。
- ベランダから落下して大怪我する:10×3×7=210点
- ガスコンロを使って火事になる:10×3×7=210点
- インフルエンザで突然発熱する:7×5×7=245点
- 大地震が来て家具の下敷きになる:10×3×7=210点
- おもちゃで遊んでいて指を挟む:3×7×7=147点
- ゲームのやり過ぎで目が悪くなる:5×5×7=175点
この中でRPM(リスク優先度)が一番高いのが「インフルエンザで突然発熱する」です。
これは優先して対策する必要がありますね。
また、「重要度」が高いものは命に関わることなので優先して対策する必要があります。
「ベランダから落下」、「ガスコンロで火事」、「大地震で家具の下敷き」も優先して対策する必要があります。
想定されるトラブルに対する対策を考える
対策の優先度がわかったら、次に一つひとつ対策を考えてRPM(リスク優先度)を低くしていきましょう。
ちなみに、「重要度」の点数を低くするのは一般的には困難です。
例えば「ベランダから落下して大怪我する」の場合は、住居を5階から1階に引っ越すなど、環境を大きく変えたときのみ「重要度」の点数を低くできます。
5階のベランダから落下したら命に関わりますが、1階なら軽い怪我で済みそうですからね。
「ベランダから落下して大怪我する」の対策
「発生度」を低くするには、以下のことが考えられます。
- ベランダに置いてある椅子やテーブルを撤去する
- ベランダに出られないように鍵をかける
「検出度」を低くするには、以下のことが考えられます。
- ベランダに監視カメラを設置する
- ベランダに赤外線センサーを設置する
「ガスコンロを使って火事になる」の対策
「発生度」を低くするには、以下のことが考えられます。
- ガスの元栓を閉める
- キッチンに入れないように鍵をかける
「検出度」を低くするには、先ほどと同じで監視カメラやセンサーの設置です。
「インフルエンザで突然発熱する」の対策
「発生度」を低くするには、以下のことが考えられます。
- 予防接種を受ける
- 早寝早起きをして体調管理に気を付ける
- 手洗いうがいの習慣を付ける
「検出度」を低くするには、以下のことが考えられます。
- 部屋に監視カメラを設置する
- 部屋にサーモグラフィーを設置する
「大地震が来て家具の下敷きになる」の対策
「発生度」を低くするには、以下のことが考えられます。
- 家具に転倒防止装置を設置する
- 不要な家具を処分する
「検出度」を低くするには、以下のことが考えられます。
- 部屋に監視カメラを設置する
これらの対策をすることで「発生度」と「検出度」を下げることができます。
想定されるトラブル対策の結果を評価してみる
今回の結果から、「子どもを一人で留守番させる」ことにより想定されるトラブルを未然に防ぐため、部屋に監視カメラを設置することにしたとします。
その結果、ベランダ以外の「検出度」が「ほとんど発見できない(7点)」から「まぁまぁ発見できる(5点)」に低くすることができます。
- ベランダから落下して大怪我する:10×3×7=210点
- ガスコンロを使って火事になる:10×3×5=150点
- インフルエンザで突然発熱する:7×5×5=175点
- 大地震が来て家具の下敷きになる:10×3×5=150点
- おもちゃで遊んでいて指を挟む:3×7×5=105点
- ゲームのやり過ぎで目が悪くなる:5×5×5=125点
そうすると、次に対策すべき項目が見えてきますね。点数が高い「ベランダからの落下」と「インフルエンザ」です。
このように点数を付けて対策の優先度を見える化することで、何から対策すればいいのかを明確にすることができます。
まとめ
今回紹介したFMEAという手法は、もともとは設計や製造などの分野で不具合を未然に防ぐための手法です。
しかし、この考え方は日常生活においても非常に役に立ちます。
「これは命に関わることかも。」
「これは発生しやすいかも。」
「これは発見しにくいかも。」
ということが自然に意識できるようになれば、日常生活で発生するトラブルを未然に防ぐことができます。
自分自身や大切な人をトラブルから守るためにも、一度テーマを決めて考えてみてはいかがでしょうか。
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