【書評レビュー】「本業転換 既存事業に縛られた会社に未来はあるか」次の事業を育てることは大切です

【書評レビュー】 本業転換 既存事業に 縛られた会社に未来はあるか




この記事では、「本業転換 既存事業に縛られた会社に未来はあるか」を読んだ感想をご紹介します。

ネタバレするような内容は書きませんが、僕が勤めている会社の状況に触れつつ、この本で述べられている内容がどのように役に立つかを、僕の視点で書いています。

僕と同じような境遇に置かれた人にはきっと役に立つと思うので、ぜひ最後までお付き合い下さい。

「本業転換」を読もうと思ったきっかけ

僕はごくごく普通の会社員で、会社では研究・開発の仕事をしています。

この「本業転換」を読もうと思ったきっかけは、ズバリ、会社の業績が悪いことと、次の事業が育っていないことです(汗…)。

次の事業を育てている最中ならまだいいのですが、どのような事業を育てていけばいいのか会社の方針がフラフラしているんです。

なんかモヤモヤしますよね、こういう状態って。

会社の経営方針がフラフラしているなら「自分自身で次の研究・開発のテーマとして何をすべきか考えよう!」と思ったわけです。

でも、闇雲にテーマを決めても、最初の方向性を間違ってしまったら努力が無駄に終わってしまいます。

そんな方向性について悩んでいた時に、たまたまネットで見かけたのが、この「本業転換 既存事業に縛られた会社に未来はあるか」だったんです。

本のカバーを見た瞬間に、「あれっ、これって、まさに今現在の僕の会社が取り組むべき内容じゃないの。」と思い、アマゾンで「ポチッ」っと買ってしまいました。

同業の中で発展した企業と衰退した企業の戦略の違いを比較

本書の中で取り上げられている企業は以下の通りです(社名は一部省略表記しています)。

  • 富士フイルム vs. コダック
  • ブラザー工業 vs. シルバー精工
  • 日清紡 vs. カネボウ
  • JVCケンウッド vs. 山水電気

いずれも一度は聞いたことがある企業名だと思います。本書ではこれら8社の戦略の違い、特に生死を分けた点に着目して企業分析をしています。

後付けの理屈では何でも言いたい放題ですが、「過去から学ぶ」ことも大切なことなので、このような企業分析は経営方針を考える上でも参考になります。

「歴史は繰り返す」と言いますからね。

さて、取り上げられた8社のうち、以下の4社は見事に本業を転換させ、今でも最先端の分野で活躍している会社です。

富士フイルムと言えば以前は写真用フィルムで有名でしたが、今では化粧品や医薬品でも有名です。

ブラザー工業は以前はミシンの会社でしたが、今ではプリンターなどの複合機が有名です。

日清紡は紡績、繊維の会社かと思えば、今ではブレーキやエレクトロニクスの会社です。

そして、JVCケンウッドはオーディオの会社でしたが、今ではカーナビなども手掛ける会社となりました。

この本を読んで次の事業として何をすべきかの方向性が明確になった

僕はこの本を読むまでは、新しい事業は「何でもいい」と思っていました。でも違ったんです。

本書では本業転換のポイントとして、表紙のカバーで以下の3つを挙げています。

  • 「遠くて近い」事業を探す
  • 衰退事業からキャッシュを刈り取る
  • 成熟期の改革に着手できるか

正直、僕の会社では2番目、3番目のポイントはすでに手遅れになっています。これらの点は経営者にお任せするとして、ヒラ社員の僕は『「遠くて近い」事業を探す』の視点で新規事業を開拓していきたいと思います。

『「遠くて近い」事業を探す』をどのように探したらよいか、という点に関しては、本書の中で図表を用いたわかりやすい説明があります。

例えば、第1章の図表2「衰退期の4つの基本戦略」では、衰退期に入った事業のとるべき戦略が書かれています。

僕の会社では、ある事業(まだ伸び盛り)では「拠点確保戦略」、またある事業(衰退している)では「刈り取り戦略」または「即時撤退戦略」が必要だと感じています。

そして、手にしたキャッシュで新事業への投資をしたいですね。というのも、今は新事業に投資するキャッシュが無さそうなので…。

そして、第2章の図表6「技術の棚卸し〜四象限マトリックス」では、現在自分たちが持っている技術がどこに属しているかが明確になります。

このように技術の棚卸しができると、次にどのような技術を開発するか、どの市場を攻めるかの戦略が立てやすくなります。

実際、僕も自分の研究・開発の方向性がわかってきました。

「本業転換」はこんな人におすすめ

この本はすべてのビジネスマンにおすすめですが、特に次のような人に読んでもらいたいです。

  • 経営者、経営幹部
  • 事業戦略に関わる人
  • 研究・開発に関わる人

僕は経営者ではないので、企業を経営する苦労はまったく知りませんが、衰退事業から撤退する、売却するというのもあってもいいのかなと思います。

会社が潰れるよりはマシですから。

事業撤退、事業売却という経営判断もあり得る、そのためには、事業を切り離せる組織体にしておくのも経営者の仕事かなと思います(勝手なことを言ってますが…)。

そして、事業戦略に関わる人は研究・開発に関わる人にとって、本書は羅針盤のような存在です。

過去の歴史から学んで同じ轍を踏まないように、新しい事業を模索していくのに本書は非常に参考になると思います。

まとめ

最初に述べたように、僕の会社は今、ヤバイ状況です。今の本業だけで生き残っていけるのかとても心配です。

でも、心配だけしていても何も始まりません。自分でできることは自分でやるしかありません。

本書「本業転換 既存事業に縛られた会社に未来はあるか」を読むことで、ある程度進むべき道が見えてきましたし、やる気も出てきました。

僕は企業活動を通して、人と社会をより豊かにしていきたいと思います。

コメント

この記事へのコメントはありません。

コメントする

CAPTCHA