「ハダカデバネズミ」というネズミをご存知ですか? 一時期、ネット検索でキーワードの上位に来ていました。でも、僕は数年前から知っていました。
「えっ、なんでそんなマイナーなネズミを知っているの?」
と思われるかもしれませんが、ある小説の中で「ハダカデバネズミ」が名脇役というか準主役級の扱いで活躍しているからです。その小説とは、
「新世界より」(貴志祐介著、講談社文庫)
です。貴志祐介さんと言えばSFホラー作家として有名ですが、「新世界より」はホラーの部分は封印して、少女、渡辺早季が主人公のSF小説です。
「新世界より」(貴志祐介著、講談社文庫)
舞台は1000年後の日本、人々は呪力という超能力を駆使し、バケネズミと呼ばれるネズミに労働させて平和に暮らしていました。ここで出てくるバケネズミが「ハダカデバネズミ」です。
物語は12歳になった少女、渡辺早季とその仲間たちが呪力に目覚めるところから始まります。
そして、その呪力を試すキャンプの中で禁断の事実に触れてしまう早季たち。禁断の事実に触れた早季たちは寺の僧侶に連行されてしまうが、連行の途中に逃亡しバケネズミに襲撃されてしまいます。
そこから先がこの「新世界より」の醍醐味です。ハラハラドキドキのストーリーが展開されます。人間を神と崇めるバケネズミの信頼と裏切りの絶妙な駆け引き。
そして、物語の最後にはバケネズミの隠された真実が明らかにされ、「あっ、なるほど〜。」と腑に落ちたところでエンディングを迎えます。
バケネズミはハダカデバネズミから進化した生物
物語で出てくるバケネズミは「ハダカデバネズミ」から進化した生物で、女王と中心としたコロニーを築き、指揮官と兵隊から構成されています。ミツバチの世界が女王蜂、雄蜂、働き蜂で構成されているのと同じです。
バケネズミの中でも女王や指揮官は日本語を話せ、人間並みの知性を持っています。そして、策略家でもあり、早季たちはこの策略に翻弄されて行くのです。
最後にはバケネズミがなぜバケネズミになったのか、その秘密が明らかにされます。それは読んでのお楽しみです。
ハダカデバネズミの生態を具体的に知りたい方はこの「新世界より」を読んでみるといいでしょう。「バケネズミの生態=ハダカデバネズミの生態」だからです。
でも、ハダカデバネズミは日本語は話せませんよ!
まとめ
今回紹介した「新世界より」は僕は読んだ小説の中でもベスト3に入るくらい大好きな小説です。上、中、下の3巻よりなる大作ですが、ハラハラドキドキのストーリーに一気に読みたくなります。
「小説はちょっと…。」という方にはコミック版もあります。こちらはより手軽に読めますが、僕は断然、小説を読むことをおすすめします。
小説では細かな描写が表現されており、読者の想像力を最大限に引き出してくれます。その結果、頭の中で広がる想像の風景がとても素晴らしいのです。
両方読みたい方は小説→コミックの順番で読むようにしましょう。逆の順番で読むと、ネタバレになり、小説での想像力が半減してしまいます。
なお、コミック版の第1巻はアマゾンのキンドルでは無料で読めるので、試しに読んでみるのもいいかもしれません。ただ、本当に面白いのは2巻以降ですし、小説の方がその数倍も面白いですよ!
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