この記事では、自分で車のタイヤ交換する方法と、タイヤ交換に必要な道具を紹介します。
冬になると夏タイヤから冬タイヤへの交換、春になると冬タイヤから夏タイヤへの交換が必要になります。
多くの人はカーショップにタイヤを持ち込んで、タイヤ交換をしているのではないでしょうか。
でも、カーショップでタイヤ交換すると普通車(4本)で約3,000円かかります。1シーズンでは夏タイヤから冬タイヤへ、冬タイヤから夏タイヤへの交換で、2回分の約6,000円かかります。
けっこう痛い出費ですね。
でも、タイヤ交換は道具さえあれば自分でできるし、慣れてしまえば意外と簡単なんです。
そこで、タイヤ交換費用を節約するために、自分でタイヤ交換する方法を写真付きでわかりやすく紹介します。
万が一タイヤがパンクした時にも自分でスペアタイヤに交換できるようになるので、覚えておいて損はないですよ!
タイヤ交換に必要な道具
タイヤ交換は道具さえあれば簡単にできます。ジャッキやレンチは車に標準装備されていると思いますが、実際のところ標準装備のジャッキやレンチを使うとメチャクチャ疲れます。
でも安心してください。もっと楽にタイヤ交換する方法があるので、こちらの道具を揃えることをオススメします。
オススメの道具
タイヤ交換に必要なオススメの道具は以下の4つです。
- 油圧ジャッキ(車を簡単に持ち上げる道具)
- トルクレンチ(ナットを最適な強さ(トルク)で回す道具)
- クロスレンチ(ナットを素早く回す十字型の道具)
- 軍手(手を保護する手袋)
以下の記事にタイヤ交換に必要な道具一式をまとめたので、もし興味があれば参考にして下さい。
以下の油圧ジャッキとトルクレンチは値段が安いわりに使いやすいので、初めての方にオススメです。
この中で特に重要で必ず揃えたい道具は「トルクレンチ」です。その理由は後で説明します。
タイヤ交換の手順
それではここから、実際のタイヤ交換の手順を説明します。
車を安全な場所に駐車する
車を広くて平らなスペースに駐車します。シフトがP(パーキング)になっていて、サイドブレーキがかかっていることを確認しましょう。
車止めをするとさらに安全です。そして、周囲に小さな子どもがいないかなど、周囲の状況に気を付けましょう。
タイヤのナットを緩める
この時点ではまだジャッキアップしません。ジャッキアップする前に、トルクレンチを使ってタイヤを固定しているナットを少しだけ緩めます。目安は1/4回転くらいです。もちろん、緩めるのは交換するタイヤだけです。
なぜ、ジャッキアップする前にナットを緩めるかというと、最初はナットが固くて回らないので、ジャッキアップした後にナットを緩めようとするとタイヤも一緒に回転してしまうからです。
また、力を入れたはずみで車が揺れ、車がジャッキから落ちてしまう可能性があります。
車をジャッキアップする
交換するタイヤの部分をジャッキで持ち上げます(ジャッキアップします)。ジャッキは必ず車の指定された位置に設置しましょう。
通常は写真に示すように車体の下部にジャッキ位置(2箇所のくぼみ)が指定されています。タイヤが2〜3cmくらい持ち上がるまでジャッキアップします。
もし、指定された位置以外の場所でジャッキアップすると車体が歪んだり、バランスを崩して車がジャッキから落ちてしまう可能性がありますので、注意しましょう。
この時、油圧ジャッキを使うと片手で簡単にジャッキアップをすることができます。一方、標準装備のジャッキは手でクルクル回さなければならず、力もかなり必要です。
油圧ジャッキを発明した人に超感謝します!
ナットを外し、タイヤを外す
緩めてあったナットをクロスレンチやインパクトレンチを使って外します。ナットをすべて外したらタイヤを外します。
ボルトのネジ山を傷つけないように、ゆっくりタイヤを外しましょう。
ホイールの接合面をキレイにする
ホイールの接合面(タイヤを取り付けるところ)に小石やゴミが挟まっているとタイヤの取り付け不良になるので、接合面を軍手でキレイに払っておきましょう。
この時、興味があればブレーキパッドの減り具合を確認しておくと良いでしょう。普段なかなか見れないので。ブレーキパッド?何それ?という方は、気にしないで大丈夫です。
交換するタイヤを取り付ける
交換するタイヤの接合面も先ほどと同じように小石やゴミを取り払っておきましょう。
タイヤの取り付け穴の位置をよく確認してボルトに差し込みます。タイヤを奥まではめ込めたら手でナットを仮止めします。この際、隣り合うナット順ではなく、対角線のナット順に締めていきます。
この時点では仮止めなので、手で軽く締めた後、クロスレンチで軽く「クッ」と止まるところまでナットを締めます。
理由は先に述べたのと同様です。強く締めるとタイヤが一緒に回転してしまうのと、車体が揺れて車がジャッキから落ちるのを防ぐためです。
ジャッキを下ろす
ジャッキをゆっくり下ろします。油圧ジャッキの場合は慎重に操作しないと急に下がることがあるので、取扱説明書をよく読んでゆっくり下ろしましょう。慣れれば簡単です。
標準装備のジャッキを使う場合は根気よく回しましょう。車体が完全に下りればあと一歩です。
ナットを本締めする
車体が完全に下りたら、トルクレンチを使ってナットを本締めします。この際、隣り合うナット順ではなく、対角線のナット順に締めていきます。
トルクレンチを使用した場合、指定したトルクになると「カチッ」と音がします。説明書にしたがって適正トルクでナットを締めましょう。
残りのタイヤも同様に
残り3本のタイヤも同様の手順で交換します。すべてのタイヤ交換が終わったら、念のためナットの締め忘れがないか、再度トルクレンチを使ってすべてのナットを締め直しましょう。
タイヤの空気を入れる
保管してあったタイヤは空気が抜けているので、近所のガソリンスタンドなどですぐにタイヤの空気を入れましょう。
タイヤの空気圧は運転席のドアの部分に書いてあります。指定圧力の1割増くらいで入れておくとよいです。
わからない場合はガソリンスタンドの店員さんに聞いてみましょう。お願いすればやってもらえると思います。
ナットの締め増し
タイヤの空気を入れたら終わりではありません。ここが一番重要なところです。
タイヤを交換したばかりの時は、ボルト、ナットの噛み合わせなどの理由で少し走行するとナットが緩んでくる場合があります。
10kmくらい走行したらトルクレンチを使って再度ナットを締めましょう。少しだけナットが回ることがあります。ナットの締め増しを行なったらタイヤ交換の完了です。
タイヤ交換時の注意事項
タイヤ交換をする際には、以下のことを注意しましょう。
タイヤの回転方向を確認しよう
スポーツ用のタイヤ、ミニバン用のタイヤなど高級タイヤには回転方向が決まっているものがあります。その場合、タイヤに矢印が書いてあります。回転方向が決まっているタイヤは取り付け時に注意しましょう。
ナットの種類を確認しよう
ナットには大きく分けて「袋ナット」と「貫通ナット」があります。「袋ナット」とはナットの反対側に穴が空いていないナットです。一方、「貫通ナット」とは五円玉のように完全に穴が空いているナットです。
純正タイヤには普通、袋ナットが付いています。しかし、スタッドレスタイヤをホイールと一緒に購入した場合、ホイールの種類によっては貫通ナットが付いてくる場合があります。
袋ナットだと最後までナットが締まらず、タイヤを正常に固定できないためです。ナットは必ずホイールにあったものを使用しましょう。
タイヤローテーションをしよう
タイヤの偏摩耗を防ぐために、タイヤ交換時にタイヤローテーションを行いましょう。
対角線で交換
(昨シーズン右後輪だったタイヤは、今シーズンは左前輪へ)
前輪⇄後輪で交換
(昨シーズン右後輪だったタイヤは、今シーズンは右前輪へ)
タイヤを外した時に、そのタイヤがどの場所に付いていたかシールを貼っておくと、次にタイヤ交換する時にどこに取り付ければいいか迷いません。
タイヤに挟まった小石を取り除こう
タイヤ交換の機会にタイヤの溝に挟まった小石をドライバーなどで取っておきましょう。タイヤの長寿命化に繋がります。
タイヤの寿命は?
タイヤの側面にひび割れがある場合やタイヤの溝にスリップサインが見えている場合は、新しいタイヤに交換しましょう。タイヤの破裂やスリップの原因になります。
スタッドレスタイヤの場合は見た目は大丈夫でもゴムが硬くなっている場合があるので、僕は4シーズンまでと決めています。(理想は3シーズンで交換ですが…。)
タイヤは日陰に保管しよう
タイヤは直射日光や風雨に晒されないように、倉庫などに保管しておきましょう。直射日光に当たるとひび割れの原因となり、タイヤの寿命を縮めてしまいます。
キャスター付きのタイヤラックがあるとタイヤの運搬や保管に便利です。
トルクレンチが必要な理由
タイヤのナットを締めるとき、ただ強く締めればいいというものではありません。僕はタイヤ交換をし始めた頃、クロスレンチを使って力任せに思いっきりナットを締めていました。
しかし、あるときタイヤ交換について調べていたら
「適正なトルク(強さ)でナットを締めないとタイヤを取り付けるボルトが破損する可能性がある。」
と書いてありました。
よく考えれば当たり前ですね。もちろん、取り付けが弱すぎても走行中にタイヤが外れてしまう可能性があるのでとても危険です。
それ以来、トルクレンチを購入して適正トルク(強さ)でナットを締めるようになりました。
ところで、トルクレンチって何?
トルクレンチとはトルク(ナットを締める強さ)の設定値が付いているレンチのことです。
ナットを締めている時に設定したトルク(強さ)までナットが締まると「カチッ」と音が鳴って「ここがナットを締める最適な強さですよ!ここでOKですよ!」と教えてくれるとても便利な道具です。
先に述べた理由により、トルクレンチはタイヤ交換には必要な道具なので必ず揃えましょう。
まとめ
タイヤ交換は初心者には難しそうに感じますが、一度道具を揃えてやり方を覚えてしまえば簡単に行うことができます。お金の節約、時間の節約にもなるので一石二鳥です。
また、普段からタイヤの状態に関心を持つことで、安全運転にもつながります。興味のある方は試してみてはいかがでしょうか?
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